[文学]がスキ!
[文学]がスキ!
Saki Nagao

[文学]
がスキ!

『メアリー・ポピンズ』『くまのプーさん』『ナルニア国物語』──通っていた小学校で朝に必ず読書をする時間があり、児童文学に慣れ親しんでいったのがきっかけ。読書の幅は日本の古典、近代文学、大衆文学、SFと時を経るごとに広がり続けていった。若者の読書離れが叫ばれる現代にあって、本を読み、他者と共有することが日々の楽しみという上智大学の永尾咲季さんに話を聞いた。

文学との出会いが、私を読書へと導いた。

永尾咲季 上智大学 外国語学部 ドイツ語学科[紀尾井文学会]

— なにを、している?

本を読むのはもちろんなのですが、文学について人から聞いたり、伝えたりするのが好きです。今まで読書は自分1人だけの時間でしたが、大学に入って純粋に本を読むことが好きな人たちに出会うことができました。好きなのは、神保町の書店巡り。棚の前で互いにおすすめの本をネタバレにならない程度に伝えるのが楽しいです。

— なんで、すき?

本には解釈があって、同じ1冊の本を読んでも、人によって全然違う読み方をするところが好きですね。読み手が100人いれば、読んだときの受け取り方は100通りです。たとえば夏目漱石の『こころ』を読むにしても、「先生」のエゴイズムに寄るのか、「私」の倫理観を重視するのか、先生が死に至る過程に迫るのか、それで文学そのものの価値が変わってくるくらい、読み方がたくさんあります。だから、その人がどこに重点を置いて読んだのかを知ることは面白いと思っています。

— これからやりたいこと

本を読むことは日常の一部になっているので、このまま読み続けてどんどん視野を広げたいと思っています。私がたくさんの児童書に触れて育ったこともあり、いずれは教育出版に関わっていきたいです。子供は大人と違って面白いものにしか面白いと言わないので、子供に向けて教材や児童書を編むことは、大変なことだと思いますが、なにより楽しそうです。