[文房具]がスキ!
[文房具]がスキ!
Kouki Yamamoto

[文房具]
がスキ!

ファッションやデジタルガジェットなど、日常に寄り添うモノにこだわりを持つ人は少なくない。それは生き方であり、哲学であるから。ただ、文房具となるとどうだろうか。書くため、記録するための消耗品、あくまでもツールという印象が強い文房具。文房具ってほんとうはもっと面白い。デジタルの時代だからそこアナログのプロダクトはより際立し、一つひとつにストーリーがある。文房具を起点とした新しいライフスタイルを探る早稲田大学の山本航己さんに話を聞いた。

時代を乗り越え、物語となる。そんな文房具が好きだ。

山本航己 早稲田大学 商学部[早稲田大学文房具倶楽部]

— なにを、している?

文房具が大好きです。父は建築学科出身、小さい頃から書斎に製図用品が豊富だったので、自然と文具に興味を持ちました。中学、高校になると小遣いで買える範囲でシャーペンや芯ホルダーなどの製図用品をちょっとずつ集めはじめて、どんどんのめり込んでいきました。今でも、万年筆からシャープペンまで、様々な文具を求め、探し回っています。

— なんで、すき?

文房具って素材やデザインに特徴があるだけじゃなくて、その人の個性を反映したり、ストーリーを受け継いだりします。大学に入ったばかりの頃、父から祖父が使っていたという万年筆を貰いました。そのペンは1970年代のもので、軸はきれいだけれど、ペン先はかなり消耗されていたんです。それは祖父がその万年筆を大事に使っていたことの証明でした。これがきっかけとなり、持ち主の人柄がペン先や軸に現れる万年筆の魅力にどっぷりはまっていきました。
ちなみに、僕は万年筆にこだわりがありますが、紙が好きな人もいて、付箋が好きな人もいて、アイデア系文具が好きな人がいてと、一概に文房具といってもその中で細かく分かれているんです。万年筆好きな人の中には「まず一本買ってみなよ」と初心者に勧めている人もいます。僕は「ペンハラスメント」と呼んでいるのですけど(笑)、ニッチな趣味なので色んな人たちが共生していけるといいなと思っています。

— これからやりたいこと

1人の使い手、消費者でもあると同時に、作り手目線でも文房具を考えようと思っています。これまでには消しゴムハンコやノートなどを制作してきました。作るとなると材料や工程、費用を考えなくてはいけないのですが、そこを経ることで自分が使うものにまた違う愛着が湧いてくるんですよね。使い手の目線、作り手の目線を組み合わらながら、文房具の新しい楽しみ方をどんどん提案していきたいです。