[狩猟]がスキ!
[狩猟]がスキ!
Yoshinobu Kobayashi

[狩猟]
がスキ!

「皆さんは自分が本当の意味で生きていると感じたことはありますか?」自らも狩人として活動し、日本全国の狩人とのネットワークを持つ東京大学の小林義信さんは問いかける。狩猟という活動によって野生動物との共生、一生命としての自己の自覚、自給自足を考える彼は、昨今の獣害対策にも取り組み、広い視野で「生活」を捉えている。そんな小林さんを訪れ、狩猟への想いを伺った。

なにがなんでも生き残りたい、
だから狩猟がライフワークになった。

小林義信 東京大学 農学部 フィールド科学専修[東京大学狩人の会]

— なにを、している?

狩猟が好きで、現在ではプロの猟師団体と協力しながら、実際に罠を仕掛けて鹿やイノシシを狩ったり、解体、ジビエ、皮なめしや骨を加工してスカルトロフィーを作ったりしています。全国の狩猟者の方から方法や技術を教えてもらうことで、狩猟の知見を蓄積しています。狩猟だけではなく、ロープワークを学んだり野草や両生類を食べたりと、サバイバルにつながることは一通りやってきました。

— なんで、すき?

小学生の時に『新冒険手帳』という野外活動知識の詰まった本を読んで、サバイバル技術や無人島生活に憧れたのがきっかけです。掲載されていたロープワークを覚えて、中学、高校で野草や両生類、昆虫を食べ始めました。段階を追うと次は哺乳類だったんですが、狩猟免許の網・わなは18歳からなので大学に入ってから取得し、鳥獣に対しての狩猟活動を始めました。自分は、大きな災害や事故が起きても何がなんでも生き残りたいという気持ちが根本にあるので、それを追究していったら狩猟だったという感じです。

— これからやりたいこと

狩猟界が高齢化してきている中、全国の狩猟団体から自分に期待の声を多数もらっています。自分が声を掛けて学生の狩猟団体をつなげることで、知識を共有し、猟師さんの技術を継承したい。また、現場での狩猟の取り組みに加え、現在大学で研究している獣害対策や野生動物の個体数管理の視点を組み合わせて、社会問題を解決していきたいと考えています。